抗菌薬

【尿路感染症の抗菌薬】新人薬剤師、看護師向けに徹底解説

やくまる

入院患者の中では肺炎の次に多い尿路感染症!

今回はその基礎知識と抗菌薬について解説するよ!

尿路感染症とは

尿路感染症とは、腎臓、尿管、膀胱、前立腺に生じる感染症のこと。

なかでも腎盂腎炎と膀胱炎は、その大部分をしめています。

特に女性は、尿道口と肛門、膣口が近く、尿道が短いため、尿路が汚染しやすく、尿路感染症を起こしやすくなっています。

膀胱炎

頻尿や、排尿痛、残尿感などから診断されます。

膀胱炎は尿道からの上行性感染が原因のほとんどです。

そのため原因菌のほとんどは大腸菌であることが多いです。

膀胱炎に使う抗菌薬

膀胱炎では第一世代のセフェム系抗菌薬やST合剤などが第一選択薬です。

内服薬で治療が可能なのでほとんどが外来で治療されます。

レボフロキサシンも有効ですが、ニューキノロン系は緑膿菌に有効な数少ない薬剤のため、処方量削減が求められており、現在ファーストラインから外れています。

腎盂腎炎

腎盂腎炎は膀胱炎は、症状として発熱、悪寒、戦慄をともなうところが大きな違いです。

基礎疾患の有無で、それぞれ単純性腎盂腎炎、複雑性腎盂腎炎にわけられます。

単純性腎盂腎炎は、膀胱炎から上行性に進行して腎盂腎炎へと続発する場合がほとんどです。

それに対して、尿路の基礎疾患や、高齢、糖尿病、カテーテルの留置など、合併症がある場合、複雑性腎盂腎炎に分類されます。

複雑性腎盂腎炎では、大腸菌、緑膿菌、腸球菌など多くの細菌が起炎菌となるため治療が難しくなります。

尿路の通過障害があれば、尿路内圧が上がり、血液中に細菌が流れ込み、敗血症を起こすこともあります。

進行すれば腎機能が低下し、腎臓が萎縮することもあるため早期に治療する必要があります。

単純性腎盂腎炎に使う抗菌薬

単純性の場合、ほとんどの場合で大腸菌が原因なので、入院治療であればセフトリアキソンがファーストチョイス。

外来で治療する場合、アモキシシリン・クラブラン酸やスルファメトキサゾール・トリメトプリムが良い選択肢です。

複雑性腎盂腎炎に使う抗菌薬

単純性と異なり、緑膿菌、腸球菌、セラチア、シトロバクター、エンテロバクターなどの、耐性菌も起炎菌となりやすため、セフトリアキソンで治療がうまくいかないこと多く、初期治療はブロードスペクトラムな抗菌薬を使う場合が多いです。

ステップアップにはなりますが、より重症感が強い場合、上記の薬剤にレボフロキサシや、ゲンタマイシンを加えることもあります。

なお、腎盂腎炎では必ず、血培2セットと尿培を1セットおこない、感受性が確認できればデスカレーションします。

まとめ

  • 膀胱炎の原因菌は大腸菌がほとんど。治療は内服でOK。
  • 腎盂腎炎は単純性と複雑性に分ける。
  • 単純性は大腸菌がほとんど。
  • 複雑性は多くの耐性菌が原因になる。
  • 単純性にはセフトリアキソン
  • 複雑性にはブロードスペクトラム