抗菌薬

急性虫垂炎の治療

急性虫垂炎とは?

虫垂の炎症性疾患のことであり、一般に「盲腸」と呼ばれています。

何らかの原因によって虫垂の内腔が閉塞し、内腔圧が上昇して局所的に循環が障害され、細菌感染が発症します。

閉塞の原因としては、リンパ組織の過形成や糞石(食物繊維を中心とし、便が粘土化したもの)などがあげられます。

男女差はほとんどなく幅広い世代で発症しますが、好発年齢は虫垂のリンパ組織活動が活発な10代から20代が最も多いです。

急性虫垂炎の病期

初期

内腔圧の上昇に伴い、心窩部や臍周囲の疼痛、不快感が現れます。

数時間後に食欲不振、悪心・嘔吐を認めます。

進行期

進行に伴い腹膜まで炎症が及ぶと、右下腹部に疼痛が限局してきます。(限局性腹膜炎)

疼痛が心窩部から徐々に右下腹部に移動するのが、急性虫垂炎の典型的な症状経過です。

急性虫垂炎の治療

手術

  • 腹膜刺激症状(+)
  • 炎症が虫垂の全層に広がっている
  • 虫垂の壊死
  • 糞石

などの所見を認めれば手術適応となります。

腹腔鏡or開腹による虫垂の全摘されます。

保存的治療

  • 腹膜刺激症状(−)
  • 炎症が粘膜に留まっている(カタル性虫垂炎)

の場合は、絶食、輸液、抗菌薬による保存的療法が適応となります。

ただし、虫垂炎は再発する可能性が高いので軽快後、待機的に手術を行うことが多いです。

急性虫垂炎の抗菌薬選択

虫垂炎の起炎菌は、基本的に大腸内の常在菌になるので、

  • 大腸菌などのグラム陰性桿菌
  • バクテロイデスなどの嫌気性菌

をカバーする必要があります。

よって基本的にはセフメタゾール

入院歴や既往歴を考慮して、緑膿菌や、ESBLを考慮する必要がある場合は、

メロペネムやタゾバクタム/ピペラシリンを選択すると良いでしょう。

まとめ

  • 虫垂炎の腹痛は心窩部から右下腹部に徐々に移動する
  • 虫垂の壊死、腹膜炎を認めればOPE適応
  • 腹膜炎がなければ保存的加療でもOK
  • 抗生剤は基本的には腸内細菌をカバーするCMZ
  • 入院歴や病歴を考慮して場合によってはMEPM、TAZ/PIPC